クックパッド、泥沼騒動で社内は危機的状況 経営陣と社員に亀裂、どうなってしまうのか

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強引にスタートを切った新体制は社員の支持を得られていないだけでなく、コーポレートガバナンス(企業統治)の問題もはらむ。

クックパッドのような指名委員会等設置会社は、効率的な経営をするために、業務の「監督」と「執行」の機能を分離するのが大前提である。業務執行の意思決定を執行役に委ねる取締役会は、経営が適切になされているかを監督する。

しかし、現在の執行役は佐野氏、穐田氏、岩田氏の3人で、全員が取締役を兼任している。事業部長など、現場レベルの提案が執行役による経営会議で俎上に載せられ、取締役会で議論される仕組みは、構成するメンバーが異なることで有効に機能するはず。このままでは、役割分担の形骸化は避けられない。

次の取締役会の判断に注目が集まる

女性を中心に、幅広い層から支持されているクックパッド。レシピサイトとしてダントツの地位を築いている

従業員による署名は、今月中に開かれる予定の取締役会に提出される見通しだ。

佐野氏と岩田氏の執行役解任が取締役会の議案として提案された場合、経営判断の客観性を高める立場にある社外取締役が、どういった判断を下すかが注目される。

レシピサービスの明るいイメージが売りだったクックパッド。騒動が長引けば、ブランド力低下によるユーザー離れのおそれもある。ネット業界の超有望企業は今、大きな分岐点を迎えている。

「週刊東洋経済」2016年4月23日号<18日発売>「核心リポート01」を転載)

山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社の支局と経済、文化、社会部勤務を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、2016年10月に東洋経済オンライン編集部、2017年10月から会社四季報オンライン編集部。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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