トランプの「共和党批判」は実に的外れである ルール変更のチェックを怠ったのは自業自得

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米大統領選の共和党候補指名を争っているトランプ氏(左)とクルーズ氏(右)。フロリダでの討論会で(写真: ロイター/Carlo Allegri)

ドナルド・トランプ氏は共和党の指名選定の方式が、望ましいと考える大統領候補に人々が投票する機会を奪う「不正操作された最悪の汚いシステム」になった、と嘆いている。共和党がルールを彼に不利な形に変えたため、代議員を盗まれたと非難しているのだ。

トランプ氏は共和党の主要な選挙の前例を見るべきだろう。現在よりも仕組みが複雑だったのだから。たとえば、2012年に一部の州では、結果が真逆になることが多いにも関わらず3段階の投票手順を踏んでいた。だが、混乱を最小限に抑えるため、共和党全国委員会(RNC)は各州の組織と協力し、2016年の選挙を簡略化させた。

選出法は州ごとにまちまち

米国の50州がそれぞれ独自のルールを設けられるため、混乱が完全に解消されたわけではない。創設メンバーが編み出した通り、米大統領選は国家規模ではなく州ごとに行われるため、どうしても混乱が生じる。しかし、現在はルールも効率化されてきており、候補者は、ただそれを読めばよいだけなのだ。

今年は共和党国家弁護士連合(RNLA)が、大統領候補者による州ごとの選挙活動を初めて支援している。従来の選挙では候補者が各州の要件を確認した上で50種類の締め切りに間に合わせなければならなかった。たとえば、2012年の大統領選では、リック・ペリー前テキサス州知事ら4人の候補者が、代議員を49人も抱える重要なバージニア州で、投票用紙に名前を登録するため必要な署名数を確保できなかった。

共和党の弁護士団は、各州のルールを記載した投票用紙イニシアチブ(Ballot Access Initiative)の手引きを各候補者に配っている。党の全国組織は、すべての候補者が同じ時間と資金を減らせるよう支援している。

また、共和党全国大会代議員の選出システムも州ごとに異なるのを受け、昨年10月、RNCもこの違いに関する正式なガイドを出版。合わせて選挙戦をさらに効率化するため、一部の古い党ルールも改訂した。

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