最新「CSR企業ランキング」業種別トップ20 ハイレベルな電機、卸売は伊藤忠が首位

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小売業はセブン&アイがイオンを抑える

小売業は例年通り2強の争い。トップはセブン&アイ・ホールディングス(532.6点)。人材活用88.6点、環境83.1点、企業統治+社会性92.1点、財務268.8点。イオンは527.6点で2位。人材活用91.1点、環境90.1点、企業統治+社会性92.1点、財務254.3点。人材活用、環境はイオンが上だが、財務はセブンが大きく上回った。

以下、3位丸井グループ(506.1点)、4位三越伊勢丹ホールディングス(487.1点)、5位ローソン(478.9点)、6位J.フロント リテイリング(478.5点)と百貨店勢が目立つ。

不動産業トップは三井不動産(504.4点)。人材活用72.2点、環境78.9点、企業統治+社会性86.7点、財務266.6点。地域コミュニティの核となる商業施設で地域活性化のため、環境・社会貢献イベントを実施。不要になった衣料を回収し、世界の難民や被災者等に寄贈する「衣料支援プロジェクト」など多くの活動を行っている。

2位は昨年1位の三菱地所(498.9点)。以下、3位ヒューリック(468.1点)、4位イオンモール(465.9点)、5位野村不動産ホールディングス(460.5点)と続く。

トップの三井不動産でも総合116位と順位は高くない。環境などの取り組みでは業種的に限界があるのも事実だが、人材活用の得点が全体的に低い点は改善の余地がありそう。障害者雇用率、有休取得率、管理職への女性登用などで後れが目立つ企業も多く、業界全体の課題と言えそうだ。

サービス業はセコム(515.5点)がトップ。人材活用81.0点、環境81.7点、企業統治+社会性84.8点といずれもトップクラスではないもののバランスよく得点している。CSR調達では主要サプライヤーとの連携を推進。イギリスでは手軽な防犯対策等についてのコミュニケーション活動を継続的に実施している。

以下、2位電通(511.8点)、3位リクルートホールディングス(496.2点)、4位ダスキン(487.2点)、5位楽天(483.0点)と続く。

CSRで企業を評価する際には各社の強みを知ることが大切だ。このランキングで業種内の順位を見た後に、総合ランキングでどの部門の得点が高いかを確認すると各企業の強みを掴みやすい。人材活用、環境、企業統治+社会性、財務、それともバランスよく得点しているのか。こうした点を知ると企業間の「強み」「弱み」の差がわかりやすい。ぜひ参考にしていただきたい。

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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