スシローと牛角、外食ファンド企業の明暗

ファンド間で明暗クッキリ

ただ、同じ時期の転売でも案件ごとに明暗が分かれている。

スシローの場合、ユニゾンによる最初の出資は07年8月。08年のTOBを通じて09年に完全子会社化、株式取得に総額221億円を投じている。その後、スシローはメディアへの露出増加などで店舗当たりの売上高を拡大、積極出店も相まって、「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトホールディングスを抜き、回転ずし業界で首位に立つ。

今回、売却に当たってユニゾンは750億円を提示したといわれる。話を持ちかけられた回転ずし大手は、「業界トップとはいえ高すぎる」(同社幹部)と見送った。が、複数のファンドが競り合った末、総額10億ドル(約800億円)でペルミラが買収した。

「スキームの詳細が不明なので確定的なことはいえないが、ユニゾンにとっては成功ディールといえるだろう」(M&A実務に詳しい早稲田大学大学院の服部暢達客員教授)

ペルミラは欧州系の投資ファンドで、日本では08年の農薬大手アリスタライフサイエンス社の買収に続く2件目となる。日本法人となるペルミラ・アドバイザーズの加藤有治代表取締役は、「成長する回転ずし業界の中で、業界首位というスシローのポジションは魅力的だった」と高値応札の理由を語る。

国内の外食市場は1997年の29兆円をピークに、現在は23兆円と縮小が止まらない。その中で、100円回転ずし市場は数少ない成長市場で、中でもスシローは近年2ケタ増収を続けているからだ。

「国内事業の強化と海外展開の加速を支援することで一段の成長を図りたい」(加藤氏)。とはいえ、高値で競り落とした以上、イグジットまでのハードルは高い。 

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