司法官僚 裁判所の権力者たち 新藤宗幸著
司法制度改革の一環として、今年の春からスタートした裁判員制度。この制度は、司法への国民参加によって開かれた司法を実現するものだという。しかし、行政学を専門とする著者は、司法行政機構の改革はいまだなされていないと考える。
とりわけ、最高裁事務総局は、最高裁規則の制定、司法予算の作成と実行、裁判官の任用・転勤・昇任・報酬の決定などを担っており、実質的に司法行政を専有する。ここにいる人間こそ、司法行政を司るエリート職業裁判官「司法官僚」なのである。
こうしたシステムによって統制された裁判官らは、官僚的にならざるを得ない。最高裁事務総局を分析し、日本の司法の問題点をあぶり出す。
岩波新書 819円
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