【レジャー白書2009】余暇市場の減少は続く、日常型レジャーが伸び、ジョギング・マラソンに脚光

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日本生産性本部・余暇創研は「レジャー白書2009~不況下のレジャー・フロンティア」を発表した。これは1977年の創刊以来通算33号目になる。2008年の余暇市場は72兆8760億円で前年比2.4%減となった。最近では1996年の90兆9070億円をピークに市場は減少が続いている。08年の民間最終消費は1.0%増であったことを考えると、レジャー支出の落ちこみは、やはり大きい。

今年に入っても不況の影響に加え、5月に入ってからの新型インフルエンザの影響で特に関西方面への旅行が打撃を受けている。09年のレジャー市場は「70兆円台維持が大きなポイント」(余暇創研)となっている。その中で海外旅行の落ちこみが目立ち、逆に25周年を迎えた「東京ディズニーリゾート」が過去最高の入場者2722万人(08年4月~09年3月)を記録、独り勝ちした。一方、09年3月に「シャングリ・ラ ホテル東京」がオープンし、外資系ホテルの出店は一巡したが、外国人旅行者の激減で外資系高級ホテルは軒並み苦戦している。また、普通乗用車保有台数が初めてマイナスとなり、自動二輪車も大きく落ちこんだ。

こうした中で単価が安く、家庭や近場で繰り返し参加できる”日常型レジャー”の伸びが目立っている。参加人口が430万人増えた「パソコン」、「ビデオ鑑賞」「音楽鑑賞」「テレビゲーム」「園芸・庭いじり」などが代表例。また、近年のランニングブームを反映、「ジョギング・マラソン」は参加人口を12%増加した。しかもこのブームを支えているのは「年間100回以上走る本格的ランナーが主体」(余暇創研)であり、一時的な現象ではなさそうだ。

今回の白書では第3章に特別レポート「不況下のレジャー・フロンティア」を特集し、「女性市場」「経験市場」「生活領域市場」など有望フロンティアを解説し、今後日本のレジャー市場はシニアと女性によって大きく支えられると分析。その中で女性ゴルファー重視ゴルフ場(パシフィックゴルフマネージメント)、札幌ドームのバックネット裏指定席に「婚活シート」を設置したプロ野球・日本ハムの事例などを紹介している。

(宇田川 日出雄=東洋経済オンライン)

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