ダイヤ改正で「中央線快速」の本数が減るワケ 多摩地域は実は人口減で地盤沈下している!?
一方で、都心部の人口増加率は高い。5年間で、千代田区では23.83%、港区では18.65%、中央区では14.93%も増加している(朝日新聞より)。多摩地域では国立市や立川市の人口が減少する一方で、武蔵野市や日野市、稲城市では増加しているというが、もっとも人口が増えている武蔵野市でさえ、4.29%しか増加していない。郊外でも都心への利便性の高い地域では人口が増加しているものの、全体的には都心回帰が進んでいることがわかる。
JR東日本八王子支社が発表した2014年度の同支社管内の乗車人員データによると、全体での乗車人員は過去2番目に多い1日あたり約145万9000人となっているものの、中央線の各駅では東京都区内から離れたエリアで乗車人員の減少が起きている傾向が読み取れる。
同支社のエリアは吉祥寺駅以西の各駅だが、吉祥寺~東小金井間の各駅は前年度より乗車人員が増加しているのに対し、武蔵小金井~高尾間で増えたのは西国分寺と豊田のみで、その他の駅は全て前年度より減少している。
削減されても本数は多い
そんな中、通勤ラッシュで人をさばかなければいけない時間帯はともかく、乗客が余裕を持って座っている程度の時間帯の中央線の列車は、多少削減しても大きな影響はないとJR東日本は考えたのだろう。
では、どうやって列車本数、それも立川から高尾までの列車を減らすのか。JR東日本八王子支社によると、これまで高尾行きだった列車を立川で打ち切るのではなく、東京からの中央線の列車を削減し、列車の間隔を調整することで立川から高尾までの中央線の本数を削減するのだという。
現在の立川駅の時刻表を見てみると、特急を除く10時~15時台の下り列車の本数は、最も少ない時間帯で1時間あたり10本。このうち、高尾行きは最も少ない11時台・15時台で1時間あたり7本だ。1本削減されても1時間に6本は高尾行きが運転される計算となり、昼間の時間帯としては決して少なくない。
また、9時台の東京~武蔵小金井間に関しても、東京駅を9時台に発車する下り列車の本数は23本もある。中央線の本数削減というと衝撃的だが、実際の影響はそれほど大きくはなさそうだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら