人生の後半戦で結婚した相手は、自分の人間関係の中では「いちばん大切だけど、新参者」と言える。その新参者が、自分の家族を含めた「先輩」たちにどのように接するのかは重要だ。親友との深い絆に嫉妬して邪魔するようなことがあったら興ざめしてしまうだろう。嫉妬心を抑えて、「大切な友だちなんだね。たまにはゆっくり遊んでおいで。よかったら今度はうちにも来てもらおうよ」と言い合いたいものだ。
類は友を呼ぶという。パートナーの友だちの中には自分も仲良くなれる人が見つかるかもしれない。遠慮せずに親しくなってしまえばいい。その様子を見たパートナーはあなたを誇らしく喜ばしく思うはずだ。
歯科医院のアルバイト中に出会う
由紀子さんと哲也さんの話に戻ろう。資産家の母親に大事に育てられたという哲也さんは、40代後半の今でも母親から高額のお小遣いをもらうことがある。良くも悪くも「お坊ちゃん」であり、人を妬んだり羨んだりする感情は少ないのだ。
由紀子さんと哲也さんが出会ったのはなんと歯科医院。由紀子さんが歯科アルバイトをしているときに、デザイナーの哲也さんが患者として現れた。
「40代の患者さんってなぜか偉そうな人が多いんです。治療費を放り投げて来たり……。でも、哲也さんはとても丁寧で、愛想がいい患者さんでした。いつも時間通りに診察に来てくれました」
イケメンだけど無礼な男性には20代で懲りていた由紀子さんは、礼儀正しい哲也さんを見て将来の心地良い結婚生活を予感していたのかもしれない。その想いは世話焼き上手な院長先生にすぐに伝わり、彼の仲立ちで哲也さんとデートをすることができた。
「東日本大震災の直後で世間がバタバタしているときだったのですが、映画を観に行く約束をきっちり守ってくれました。2人とも映画が大好きなんです。食の好みも合い過ぎる! チーズとかを2人でどんどん食べちゃうので太ってしまいました」
食を含めた趣味が合う穏やかな哲也さんとの結婚生活。太り過ぎで高血圧な哲也さんには健康診断を半強制的に受けさせている。
「もし私が体調を悪くしてお医者さんに行かなかったら嫌でしょう?が殺し文句です。野菜料理も食べられるようになりました。彼の健康を心配しているお義母さんからはすごく褒められましたよ」
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