シャープの「偶発債務」は最悪シナリオが前提

3500億円はどのように算出したのか

 2月29日、シャープが台湾のホンハイに対し、新たに提示した3500億円の偶発債務は、シャープの各事業部が最悪のシナリオに基づいてリストアップした内容であることがわかった。都内で26日撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 29日 ロイター] - シャープ<6753.T>が台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>に対し、新たに提示した3500億円の偶発債務は、シャープの各事業部が最悪のシナリオに基づいてリストアップした内容であることが29日わかった。

複数の関係者が明らかにした。シャープと鴻海は債務の精査に入っているが、実際にどの程度、負債として計上する必要があるかは不透明だ。

複数の関係者によると、シャープと鴻海が2月中旬、再建策について協議を進める中で、シャープの各事業部が抱える偶発債務をあらためて確認することが必要になったという。それを踏まえて各事業部が、最悪のシナリオのケースで損失が発生する可能性がある案件をすべてリストアップし、それを単純にまとめた内容をホンハイ側に伝えたという。

具体的には、事業撤退した場合の保証費用や、訴訟で負けた場合の賠償額などが盛り込まれているという。関係者の1人は「検証されていないため、現実には起こりえないものも相当に含まれている」としている。別の関係者は「シャープの財務部も把握しておらず、取引銀行にも伝わっていなかった内容」と話している。

偶発債務は、今は現実化していないものの、将来、一定の条件の下で発生する債務を指す。このため実際に損失が発生する可能性を精査し、どの程度の負債になる可能性があるのかを検証する作業が必要になる。シャープと鴻海は現在、公認会計士らを交えてリストの仕分け作業に入っている。

シャープと鴻海は、29日の最終契約期限を1―2週間の伸ばし、債務の内容を把握した上で、第三者割当増資を実施する意向だ。

シャープは「可能な限り早期の最終契約締結を目指し、鴻海との協議を進めていく」とのコメントを発表。鴻海は「両社は可能な限り速やかに合意に向けた協議を進めている」としている。

 

(布施太郎、山崎牧子 編集:田巻一彦)

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