混乱が際立つ郵政民営化問題、与野党は責任ある対応を

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 野党第一党である民主党は、現在、郵政民営化に関して「株式上場の凍結」という方針を明らかにしている。しかし、凍結後、日本郵政をどうするのかというビジョンは何ら示していない。民主党はその政策の中に「天下りの禁止」「特殊法人の廃止」など官の縮小を盛り込んでいるが、そうであれば、官からの脱却である郵政民営化はどうするのか。

地方選挙の結果を見ると、来るべき総選挙で民主党が勝利し、自公連立から民主党主体の政権へと移行する可能性は高いだろう。そうなった場合、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の上場は消えるのか。

従来の線では、3社は10年度にも上場するスケジュールになっている。そのためには、今年9月ごろには上場に向けた中期経営計画を証券取引所に提出しなければならない。

その一方、9月までには総選挙が行われる可能性もある。民主党が政権を奪取した途端に、民営化凍結法案が成立して、上場準備はストップするのか。

郵政民営化は、政治に翻弄されている。そのたびに日本郵政グループは内部で動揺を来す。組織としての内部崩壊も心配だ。

郵政民営化問題をめぐる責任ある対応を政治の世界に求めたい。

(浪川 攻 =週刊東洋経済)

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