韓国新大統領を待ち構える内憂外患、国内では刑事裁判を抱え外交では日本に対し失言発し不安感も

韓国大統領選は大方の予想通り、左派の「共に民主党」公認候補、李在明(イ・ジェミョン)氏が当選した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)・前大統領の弾劾・罷免を受けた選挙だっただけに、李氏は投票日翌日の2025年6月4日早朝、第21代大統領に就き、政権を正式に発足させた。
巨大与党「共に民主党」に支えられた剛腕、李氏の政権は、「歴代最強」と言われる一方、「怪物独裁」とも批判される。そして多くの「司法リスク」は、なおも李氏につきまとう。
戒厳令による大混乱から半年。やっと決まった新大統領だが、内憂と外患の両方を抱えての出帆となった。
圧倒的有利でも過半数におよばず
「私たちを引き裂いた嫌悪と対決の上に、共存と和解、連帯の橋をかけ、夢と希望があふれる国民幸福時代を大きく切り開きます」
当選確実を決めた李氏は2025年6月4日、国民向けの談話で、分断化した社会の和解と統合を訴えた。だが、その前途は洋々とは言い難い。
その難しさは、選挙結果に如実に表れている。
投票率79.4%。得票率は李氏が49.42%、尹・前大統領を支えた右派の「国民の力」公認、金文洙(キム・ムンス)氏が41.15%、やはり右派で元「国民の力」代表でもある李俊錫(イ・ジュンソク)氏が8.34%となった。
前回、3年前に大接戦の末、尹氏が、得票率差わずか0.7ポイント差で李氏を下したときと比べると、8ポイント以上の差は大きいと言える。
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