エコ製品ブームに乗るか。花王のアタックに「エコ洗剤」登場

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エコ製品ブームに乗るか。花王のアタックに「エコ洗剤」登場

エコカー、エコ家電とエコブームの中、花王は「エコ洗剤」を8月末投入することを決めた。使用する過程でも、二酸化炭素(CO2)排出を削減できる、というシロモノだ。同社は6月半ばに、環境に負荷の少ない製品開発に取り組むなどの「環境宣言」をしており、その環境対策製品の第一段となる。

このエコ洗剤、「アタックNeo(ネオ)」は、花王の主力洗濯洗剤「アタック」の改良版という位置づけ。スリムでコンパクトなボトルは、大きめの台所用洗剤と見まがうほどだ。ネオは配合組成における水の使用量を極限まで減らして濃縮化を実現、その重さは400グラムと従来品(1キログラム)の半分以下だが、従来品と同じ回数だけ使用可能だ。

また、従来品では繊維から洗剤を完全に落としきるのに2回のすすぎが必要だったが、ネオではすすぎ1回で十分に洗剤が洗浄仕切れる。このため、全自動洗濯機では5~50リットルの節水につながるほか、洗濯時間も約10分短縮できるため節電にもつながるという。

価格は従来のアタック(400円程度)を若干上回る公算。ただ、「節水や節電のことを考慮すると、バランスはそう変わらないのではないか」と、尾崎元規社長は言う。「従来品とのカニバリは仕方ない」としながら、ネオで早期に洗濯洗剤市場におけるシェア12%を獲得、年間200億円の売り上げを目指す。

花王がここへきて、急速に「エコ経営」に舵を切った理由の1つは、消費者間の環境保護意識の高まりが消費喚起につながるとの思惑があるからだと見られる。

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