セブンを悩ませる加盟店との不協和音
加盟店側にくすぶる不満はこれで解消されるのか--。6月22日、公正取引委員会はセブン−イレブン・ジャパンに対し、独占禁止法違反に当たるとして排除命令を下した。
公取によると、セブンは一部のフランチャイズ加盟店に対し、販売期限の迫った弁当などを値引きする「見切り販売」を不当に制限。それが優越的地位の濫用に当たるとした。セブンの契約書には、価格決定権は加盟店側にあると明記されているが、加盟店に対してセブン社員が「値引き販売を続ければ契約更新しない」など、圧力をかけた事例が調査で認められたという。
今後は同様の行為を取りやめ、加盟店や従業員向けに見切り販売のマニュアルを作成するよう命令。同日、会見を開いたセブンの井阪隆一社長は「現場のアドバイスに行き過ぎがあったかもしれない。社員の指導を徹底する」と述べた。
かみ合わない見解
今回、一部の加盟店が見切り販売に踏み切った理由としては、“廃棄損失”への不満が挙げられる。一般的にコンビニ各社と加盟店の契約において、期限切れとなって廃棄する商品の損失は加盟店側がすべて負担する。そのため、加盟店側から「売り上げが振るわない中、(販売期限の迫った商品が増えると)見切り販売をしなければ、とても利益を確保できない」といった不満が出ていた。一方で、セブン側が「発注の精度を高めれば、廃棄損失は減らせる」と強調するように、本部(セブン)と加盟店の見解は異なっている。
24時間営業が基本のコンビニでは、弁当などのデイリー商品が1日3回配送される。どう需要予測を立てて品ぞろえの充実を図るかが、売り上げを左右する。そうした中、売り切りを図る安易な値引きは、「店の信頼をなくし、加盟店の利益を下げる」というのがセブンの見解。加盟店の多くもその考えに同調しているという。