吉田戦車氏が、妻から「最高評価」を得たワケ

吉田戦車×伊藤理佐夫婦の「産後対談」

吉田:あのときは、「産後の情緒不安定な時期なんだろうな」と思って、笑うしかなかった。他にも、これじゃなくてあれ買ってこいとか、ドーナツクッション買ってこいとか頼まれたよね。デパートに行って、「妻がこういう事情で痛がっていて」って説明したら、「大変ですねぇ、えらいですねぇ、こちらでよろしいでしょうか?」って、すげえ同情されたよ。

伊藤:あれは、感謝しましたよ。本当に吉田さんはあの1カ月で、一生分の貯金を稼いだかもね。多少不満があっても、「あのときあんなにやってくれたんだから」って思えるし。

イヤイヤやってるわけじゃなくて、楽しかった

吉田:別にイヤイヤやってるわけじゃなくて、楽しかったからね。仕事も週刊誌の連載が1本だけだったんで、週の半分は主夫して、むしろそのほうが楽だった。伊藤さんも辛そうだったし、生まれたての娘もかわいいから見ていて飽きないし、「ああ、ずっとこのまま主夫やれたらいいのに」と思ったぐらい。

伊藤:本当に感謝しましたよ。将来、介護してやろうかなと思ったもん。今から子どもが生まれる男性には、本当におすすめです。

吉田:企業の経営者も、赤ちゃんが生まれた男性社員には育児休暇をとらせるとか、家に早く帰してあげるとかしたほうがいいよね。

伊藤:エラソーなこと言っちゃって。でも真面目な話、旦那さんが無理ならお金を払ってでもいいから、産後は誰か雇って手伝ってもらったほうがいいと思う。

<第2回目へ続く>

伊藤理佐
漫画家。1969年生まれ、長野県出身。2010年、第一子出産。87年、『月刊ASUKA』に掲載された「お父さんの休日」でデビュー。2005年、『おいピータン!!』で 第29回講談社漫画賞少女部門受賞。06年、『女いっぴき猫ふたり』『おんなの窓』など一連の作品で第10回手塚治虫文化賞短編賞受賞。代表作に、『やっちまったよ一戸建』『なまけものダイエット』『おかあさんの扉』など。
吉田戦車
漫画家。1963年生まれ。岩手県出身。1985年、雑誌のイラスト等でデビュー。1991年、『伝染るんです。』で第37回文藝春秋漫画賞を受賞。代表作に『ぷりぷり県』『火星田マチ子』『まんが親』『おかゆネコ』、エッセイ集『吉田自転車』『逃避めし』などがある。2015年、一連の作品で第19回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。

※プロフィールは記事掲載時点の情報です。

(編集/山上景子 文/樺山美夏)

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