温室効果ガス15%削減の説得力、科学的根拠は置き去り

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 経団連はかねて、部門別に可能な排出削減量を算出する積み上げ方式の目標策定法を提案してきた。その手法を基に、御手洗冨士夫会長は6つの案で最も緩やかな05年比4%減(90年比4%増)への支持を表明。斉藤鉄夫環境相から苦言を呈された経緯がある。

本来、議論の出発点となるべき科学的根拠への合意が得られぬまま、タイムリミットで政治決着した今回の目標。「本格的な国際交渉に向けた第一歩」と麻生首相は言うが、中国やEU諸国からは「不十分」との指摘も上がる。

COP15では、世界全体の排出量でそれぞれ2割を占める米中の動きが焦点となる。「日本は無理に数字を出すより、国際的排出量取引の仕組みづくりなど制度設計の枠組みを提示すべき」(富士通総研の根津利三郎氏)と交渉の手法をいぶかる声も出ている。日本の存在感を発揮するためにも、中期目標の“説得力”が問われている。

(許斐健太 =週刊東洋経済)

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