高さ240メートル!巨大太陽熱発電棟の威力 世界一のソーラータワーは鳥にも優しい

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世界で最も高いタワー式太陽熱発電所(ソーラータワー)がイスラエル南部の砂漠地帯で建設中だ。周囲に並んだ反射鏡を使って太陽光を頂上に集め、その熱による蒸気でタービンを回して発電する。

こうした集光型の太陽熱発電(CSP)は、太陽を利用した発電としてはマイナーな部類だが、開発者はこのタワーが、原油安でここ数年打撃を受けている太陽による発電市場全体を活性化すると期待している。

タワーの高さは240メートルと、ニューヨークの摩天楼に並ぶ。建設主体である企業メガリム・ソーラー・パワーのエラン・ガートナーCEOは「100万平方メートルにわたって配置された反射鏡がタワーの四方を囲んでおり、発電効率はソーラータワーとしては最高になるだろう」と説明。この施設はイスラエルが使用する電力量の最大1%を賄えるという。

低コストで鳥にも優しい

太陽を使った発電では、最も安価な電力の創出が絶対条件だ。ガートナーCEOは、建設費7億7300万ドル、出力121メガワットのこのタワーが「費用効率を大幅に向上させ、工期圧縮にも成功している」ことで、この条件をクリア可能だと主張する。

このタワーは高さを生かし、従来の発電所よりも狭い土地で、効率の良い整備を可能にした。そして反射鏡もWi-Fi(無線LAN)を使って制御するため、操作コストは高価なケーブルを使うよりも安く抑えられている。

また、このタワーは鳥にも優しい。鳥類の専門家によれば、鳥たちのほぼ全ての群れは、同タワーよりも高い位置を飛ぶとのことだ。

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