「きっぷ」と「切符」の違いを知っていますか 「みどりの窓口」係員でも知らない?意外な話

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「乗車券類」に表示された「きっぷ」の文字。「切符」ではない

色々と紹介した通り「きっぷ」と「切符」では、その意味合いが大きく異なる。「乗車券類売り場」と表記すれば良いのだが、一般的に「乗車券類」という言葉が世間に浸透していない。乗客にはなんとも不親切な表記だ。「切符」という言葉を使うのがベストだろう。

だが、漢字表記にしてしまうと、全く別の意味になってしまう。やはり「切符売り場」と表記したいが、これでは「乗車券類売り場」ではなくなってしまうのだ。旅客営業制度上、正しくない事は表記できない。そこで、たどり着いたのが「きっぷ」というひらがな表記なのだ。

それにしても、この「きっぷうりば」の表記、ひらがなにしたためか、なんだか優しい印象にもなる。その裏には、こんな理由があったとは思いもしなかった。最初に「乗車券類」を「きっぷ」とひらがなで表記する事を考えた人は、さぞ悩んで決めたに違いない。いわば、苦肉の策とも言える。

駅には驚きの発見がいっぱい

この「旅客営業制度」はなかなか複雑で難しい。私は、専門学校で旅客営業制度(JR運賃計算)のことを学生に教えている。JR運賃計算は、旅行業務取扱管理者という資格の国家試験にも出題される。

1コマ90分の長い授業では、学生も途中で疲れてしまったりするのだが、そんな時、このエピソードを雑談として話すと、「なぜ、ひらがななのだろう?」と、目をキラキラさせて授業を聞いてくれたりする。ちょっとした授業のネタなのだ。ここで書いてしまったから、ネタバレで来年は使えないかもしれない(笑)。

この記事を読んで気になった人は、駅に行った時にぜひ案内表示を見てほしいと思う。案内板のほか、「きっぷ」そのものにも表記されていたりする。

駅で働くと、まだまだ驚きの発見がある。今後も「きっぷうりば」にまつわる発見を紹介したい。

古谷 あつみ タレント・講師

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ふるや あつみ

JR西日本出身の鉄道タレント。鉄道関係のテレビや雑誌、イベント等で活動するほか、東京観光専門学校等の多数の専門学校、公立高校等で講師を務める。

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