【産業天気図・化学】石化の需給バランス悪化と電材の単価下落が懸念材料。数量上向いても本格回復は遠い

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 発売中の「会社四季報」夏号では、上記6社全てで会社予想は過大である、と予想した。医薬など安定事業を持っている会社といえども、石化事業などへの依存度は依然高く、程度の差はあっても今期は同様の低迷は避けられないと見ているからだ。ただ、下げ幅の濃淡は不況でも強い事業を持っているか否かという点を勘案して算出した。

前期は6社合計で石化製品の市況下落に伴う在庫評価損の額は400億円強と、赤字額の約3割を占めた。それだけ石化事業の収益力が弱かったことを物語る。今期は住友化学によるサウジアラビアでの石油精製・石油化学の統合コンプレックス設立を目指す「ラービグ計画」を筆頭に、中東で700万トン、中国で300万トンの新設が計画されており、合算すると世界生産能力の約10%に当たることになる。(野村證券金融経済研究所調べ)。仮に需要面が上向いてきたとしても、大増設による供給過剰感は当面続くと見ていいだろう。

また、近年利益を押し上げてきた住友化学の情報電子化学も、今期は価額下落の影響が200億円あると見ているなど、電材事業のもろさも露呈してきた感がある。各社とも、医農薬に次ぐ成長事業の育成が急務であることは論を待たない。

(二階堂 遼馬)

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