【産業天気図・海運業】海運業界は今上期が大底。土砂降りのち曇りだが不安定

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 09年度下期は海運市況がやや上向くことに加え、コンテナ船も需給調整や運賃値上げが一部奏功しそうで、14社ベースで下期も営業赤字想定なのは、依然として高値用船が足を引っ張りそうな第一中央汽船くらい。18社ベースでは、再用船先の期限前解約や経営破綻を受けて船隊を大幅縮小した太平洋海運や、高速道路との競合で大苦戦を強いられている関西汽船を加えた3社。14社の営業利益合計は1737億円と大きく回復に転じそうだ(下表(4))。
       
          営業利益合計    営業赤字会社数      
            14社計   14社中(18社中)  
 08年度上期   4227億円((1)) 2社  (4社)
 08年度下期    315億円((2)) 3社  (6社)
 09年度上期(予)  25億円((3)) 6社  (8社)
 09年度下期(予)1737億円((4)) 1社  (3社)

ただし、この下期回復シナリオは大手3社の業績回復に多くを負っている。14社計の営業利益1737億円に対して、大手3社合計の営業利益は1640億円にのぼる(下表(5))。バラ積み船の市況価格は3社の想定を上回ってきているので当面心配はないが、焦点はコンテナ船。日本郵船は赤字のコンテナ船事業で値上げを断行、年500億円のコスト削減も進めて下期に黒字化するとしているが、コンテナ船は世界的に供給過剰状態にあり、日本郵船の思惑どおりに値上げが浸透するかどうかは予断を許さない。

海運市況が一段高となったり、大手3社のコンテナ船の収支改善が想定以上に進めば晴れ間も見えてきそうだが、海運市況が一転して大幅に下げたり、コンテナ船の改善が思うように進まないと下期も雨が残る可能性もある。下期は曇りだが大気の不安定な状況が続く。

半期営業利益   商船三井   日本郵船  川崎汽船  大手3社計  
 08年度上期  1646億円 1348億円 747億円 3741億円
 08年度下期   325億円  101億円 ▲31億円  395億円
 09年度上期(予)280億円 ▲180億円 ▲50億円   50億円
 09年度下期(予)720億円  710億円 210億円 1640億円((5))

(注)「証券コード9100番台の上場海運18社」とは、日本郵船、商船三井、川崎汽船、新和海運、乾汽船、明治海運、飯野海運、太平洋海運、玉井商船、共栄タンカー、第一中央汽船、東栄リーファーライン、関西汽船、栗林商船、東海汽船、佐渡汽船、川崎近海汽船、新和内航海運のこと。曳船大手の東京汽船は「倉庫・運輸」に業種分類されているために上場海運会社に含めていない。新和海運の子会社・新和内航海運、川崎汽船の子会社・川崎近海汽船、商船三井の子会社・関西汽船、第三者増資で6月に日本郵船の子会社となった太平洋海運の4社はダブルカウントになるので営業利益の集計に含めず。

(山田 雄一郎)

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