鳩山邦夫総務相辞任で大揺れ自民の一方、党分裂の火種抱える鳩山民主

鳩山邦夫総務相辞任で大揺れ自民の一方、党分裂の火種抱える鳩山民主

塩田潮

 鳩山邦夫総務相が辞表を提出した。強く退任を求めていた日本郵政の西川社長の続投を麻生首相が認めたためである。
 一時は小泉元首相ら郵政民営化推進派とのバトルに発展するのではないかと思われたが、ぎりぎりのところで回避された。だが、自民党内にはいまも郵政問題をめぐって根深い対立があり、党分裂の火種がくすぶり続けている。

 一方、民主党では西松事件の検証を行うために設置した有識者による第三者委員会が10日、最終報告書を党に提出した。事件発覚以来、小沢氏の説明責任がずっと問題とされてきた。鳩山由紀夫氏が後任の代表に選出された翌朝、テレビの生番組でその点を質したら、「小沢さんに説明責任を果たしてもらうように力を尽くす」と明言し、第三者委員会で小沢氏が説明を行うことになると説明した。
 第三者委員会は小沢氏本人から事情を聴取したようだが、非公開で行われたため、国民に対する説明責任を果たす場とはならなかった。

 民主党が政権を取ったら真っ先に何をすべきかと聞くと、「すべてを明るみに出す」(川端副代表)、「過去のひどいことを次々と公開すればいい」(枝野元政調会長)という答えが多かった。民主党は結党以来、非永田町的、非自民党的な政治風土と政党文化の定着・醸成を目指してきた。「オープンに」という主張もその路線と見ていいが、そこに共感し、期待する国民は多い。
 だが、それなら民主党自身も、党やリーダーたちの事実と情報を徹底して公開しなければならない。その点では小沢氏は異質で「非民主党的」だ。

 よく見ると、民主党の中で、いまも根強い大きな溝は、この政治風土と政党文化の違いである。自民党が抱える党分裂の火種、民主党内に横たわる政治風土や政党文化の違いは、もしかすると、総選挙後、政治が激しく揺れ動く展開となったとき、政界再編のマグマとなって「自民火山」と「民主火山」の大噴火を誘発するかもしれない。
(写真:尾形文繁・今井康一)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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