「ケチな30~40代」どうすればおカネを使う? 団塊ジュニアは「この5つの弱点」を攻めよ
画一的にとらえることの難しい団塊ジュニアですが、消費の傾向を見ていくと、大きく分けて「5つの消費のツボ」が見えてきます。
象徴アイテムは「無印良品」「電動アシスト自転車」
1.「コンセプト」「価格妥当性」に弱い――象徴は無印良品、電動自転車
1980年代に西友のプライベートブランドとして生まれた「無印良品」は、団塊ジュニア世代を象徴するブランドです。団塊ジュニアを読み解く重要なエッセンスが詰まっています。
まず、「無印良品」は、「流行を反映した商品や高いモノが良いモノだ」という昭和的価値観のアンチテーゼとして生まれました。このコンセプトは、団塊ジュニア世代の消費感覚と重なります。さらに品質やセンスがよく、妥当な価格であることが、団塊ジュニアから支持される要因になりました。
「電動アシスト自転車」も同じです。1993年にヤマハ発動機が世界初の電動アシスト自転車を販売し、2011年までに市場は12倍に拡大しています。
最大のコアユーザーは「30代の子育て中の女性」、つまり「団塊ジュニアママたち」です。電動自転車は比較的高額の商品ですが、「環境にやさしい」という新しいコンセプトがこの層の消費を促しました。
これらの点から、団塊ジュニア世代は「『コンセプト』と『価格妥当性』がはっきりしていれば、消費につながりやすい」と言えます。
2.「母娘消費」は狙い目――「友達親子」の母と娘
「友達親子」という言葉が、この10年ほどマーケティング業界で使われるようになりました。主に「団塊世代の母親とその娘」の関係を指し、ここから「仲のよい母と娘」を同時にターゲットにした「母娘消費」というキーワードも生まれました。
背景には親世代の変化があります。高度成長期を体験した団塊世代は、青春時代に恋愛や消費を楽しみ、今でもファッションや考え方が若いという傾向があります。
フランス発のブランド「コントワー・デ・コトニエ」は母娘消費をマーケティング戦略に起用した企業のひとつです。2005年にファーストリテイリングの連結子会社となりましたが、それ以前から、オーディションで選んだ本物の母と娘を広告に起用していました。
そのほかにも、積水ハウスが「成長した息子や娘が両親と豊かに暮らす、幸福な家づくりのヒケツ!!」をコンセプトに、ワーキングシングルの娘と両親が、共に自立しつつも一緒に暮らせる「1.5世帯住宅」を提案しています。
旅行業界においても、団塊母と団塊ジュニア娘をターゲットにした「ツアー旅行」が増えています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら