サムスン電子、2016年は減益になる可能性 「前年の水準を維持することは困難」

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 韓国サムスン電子が発表した第4・四半期決算は、前年同期比16.2%の増益。ソウルの本社で昨年12月撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 28日 ロイター] - 韓国サムスン電子<005930.KS>が発表した第4・四半期決算は、前年同期比16.2%の増益となった。半導体、モバイル部門が好調だった。

第4・四半期の営業利益は6兆1000億ウォン(50億5000万ドル)。1月に公表した自社予想と同じだった。

半導体部門の営業利益は2兆8000億ウォンと、前年同期の2兆7000億ウォンから増加。

モバイル部門の利益は2兆2300億ウォンと、前年同期の1兆9600億ウォンから増加。ただ、直近の4四半期で最も低い水準で、前期比では7.3%減少した。

売上高は1.1%増の53兆3000億ウォン。自社予想は53兆ウォンだった。

2015年通年の営業利益は26兆4000億ウォン。14年は25兆ウォンだった。

期末配当は1株当たり2万ウォンとした。

サムスンは16年が減益となる可能性があると指摘。「情報技術(IT)需要の全般的な後退により、16年利益が前年の水準を維持することは困難になる」との見解を示した。

また、第1・四半期の「事業環境は引き続き厳しい」とし、16年上半期はこうした状況が続くと予想した。

モバイル部門の第1・四半期利益については、新型スマートフォン(スマホ)の発売を背景にやや改善するとの見方を示した。ただ、全般的なスマホ出荷はやや減少する見通しだという。

一部の投資家やアナリストはサムスンの16年業績について、過去3年間で2度目の減益になると予想。製品需要の低迷を受けたメモリーチップやディスプレーの価格引き下げが背景だとしている。

サムスンはまた、2兆9900億ウォン相当の普通株と優先株を買い戻し、消却すると発表した。昨年に発表した11兆3000億ウォン相当の自社株買い計画の一環で、2度目の自社株買いとなる。

0359GMT(日本時間午後0時59分)時点で、サムスン株は2.81%安。ソウル株式市場の総合株価指数<.KS11>は0.09%高で推移している。

*内容を追加しました。

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