スズキ社長、「泣くのが仕事のような段階だ」 "俊宏"節は、実父の修会長とは一味違う

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国内の軽自動車市場は苦戦が続く。2015年4月の軽自動車税増税や、2014年にスズキとダイハツ工業のシェア争いが過熱化したことによる乱売合戦の影響が尾を引いている。

とりわけスズキの落ち込みは深刻だ。2015年4~12月に軽市場全体は18%減だったのに対し、スズキの販売台数は23%減少した。

だが、この日は小型車(軽ではない登録車の区分)の発表会でもあったためか、軽に関しての言及は少なく「営業や商品作りをもう一回しっかりやってく」と話すにとどまった。

「軽」以外の強化に本腰

スズキにとって、国内4輪販売の約90%を占める軽の重要性は言うまでもない。が、税制など軽優遇策への風当たりが強い中、中長期でのスズキの課題、つまり俊宏社長のミッションは明らかに国内における軽以外の強化だ。

SUV(スポーツ多目的車)テイストの小型乗用車「イグニス」(撮影:今井康一)

2015年6月末の社長就任と同時に発表した5カ年の中期経営計画では、現状年間8万台前後の国内小型車販売を、2019年度までに10万台以上に引き上げる目標を掲げた。その方針通り、2015年にモデルチェンジした小型ミニバン「ソリオ」、今回のイグニスと小型車のラインナップを着々と強化している。

もっとも、「10万台はクリアしないといけないが、早急に進めるつもりは僕自身ない」と焦って台数を追うことには否定的だ。商品を強化するだけでは10万台を達成できたとしても定着しない。軽中心に売ってきた販売店の増強など基盤固めを地道に行う。「スズキブランドを確立するためにやることをやって10万台達成したい」。

会見では、「スズキの大黒柱」となったインド市場、低迷しているASEAN市場や赤字の2輪事業についても言及があったが、これまでの戦略の延長線上を越えるものはなかった。

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