戸建ては連休後に「買い場」到来? 在庫処分ほぼ一巡だが供給圧力残る《不動産危機》
買い手側には一段の価格下落を期待する声もある。この1月、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は、分譲価格が下落したときの住宅取得行動を、住宅取得予定者を対象にアンケートした。その結果を見ると、「購入物件を決める」と回答した人は住宅価格10%下落時には12・0%にすぎないが、20%下落時には47・6%、20%超下落時には65・1%とほぼ3分の2まで膨れ上がる。
実際の住宅市場では、在庫を抱えた業者の期末処分などを除けば20%超もの下落はまだ多くない。ただ、住宅ローン金利に先高感はなく、買い手は焦って買わなくても、住宅価格が下がるのを待てる状況にある。同機構・住宅総合調査室主任研究員の松家真一氏は、「ゴールデンウイーク後もさらに売れ残りが発生するようだと、買い手にとっては絶好のチャンスになるかもしれない」と09年度の住宅市場を予想する。
中長期的に見ても、戸建て価格が上昇反転する要素は小さい。「単身世帯増加や晩婚化で、戸建て志向の夫婦+子ども2人世帯が減っている」(松家氏)からだ。特に大都市圏では、総務省統計で見ると、戦後第3波の人口流入の山が07年に天井をつけた。「過去のトレンドから見て、今後7~8年は大都市への流入が減りそう」と松家氏は予想する。
流通性が高く住み替えも容易なマンションに比べ、戸建ての購入は文字どおり「一生の買い物」。戸建て志向の消費者は「底値買い」だからといって飛びつかず、腰を据えて物件を選びたい。
(週刊東洋経済)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら