オートサロンの存在感が格段に上がった理由 単なる「改造車のお祭り」ではなくなった

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トヨタのワークスレーシングチーム「GAZOO Racing」のブース(撮影:梅谷 秀司)

開催初日の1月15日(金)は朝9時30分からトヨタのワークスレーシングチーム「TOYOTA GAZOO Racing」のプレスカンファレンスが開かれ、「モリゾウ」こと豊田章男社長が登壇した。東京オートサロン事務局はプレスカンファレンスの時間に関してはメーカー同士で調整して欲しいと介入していなかったので、過去には幾つかのメーカーが重なってしまうこともあったが、今回はうまく並んでいる。

プレスカンファレンスには豊田章男社長も登場(筆者撮影)

日本自動車工業会が主催する東京モーターショーはその構成メーカーの合議によってすべてが決まるというシステマティックであり、ある意味でお役所的な運営であるのに対して、東京オートサロンはシンプルだ。

豊田社長は、ニュルブルクリンク24時間レースへの参戦というモータースポーツへの積極的コミットと、そのノウハウを市販車両へフィードバックするとアピール。リラックスした語り口で、モリゾウというキャラクターに託した「モータースポーツの解る経営者」というブランディング戦略がさりげなく展開されていた。トヨタに限らず、東京モーターショーとは違って、各メーカーともモータースポーツへの積極的なコミットを大々的に宣言していた。

幅広い客層が集い、物販や商談の場にも

自動車メーカーがオートサロンに併せて、新車発表を行うケースもある。キャンギャルの撮影会やavexのライブステージなども開かれ、お祭り要素も強いこのイベントを日本車メーカーのほとんどや主要輸入車が重視するようになったのは、主に3つの要因が挙げられる。

まず、展示ジャンルの多様性から幅広い客層が集うことだ。展示されるクルマ本体だけでなく、各種アフターマーケットパーツ、モータースポーツ関連、イベント、ゲーム、アニメのキャラクターなど無秩序というほどの広がりがある。来場者は自分の興味のあるニッチなカテゴリーをめざして訪れるが、同時にいろいろなものも目にする。あきらかに若い客層が多いものの、50~60代とみられるような来場者の姿も見かける。

2つめは物販が可能な点だ。東京モーターショーは基本的に通常の展示ブースで物販は行えないルールだが、東京オートサロンは自由。小さなパーツから、各ブランドのアクセサリー、はたまたクルマそのものまで。小さなものでもモノを探して買うという行為はテンションを高めてくれるものだ。愛車に合う好みのパーツを探しながら、次に買い換えるクルマを考えている来場者もいるだろう。

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