地産地消ブームで「切り花」ベンチャーが熱い

投資家も注目する米ファームガールの強み

自転車で花を届ける、ファームガールフラワーズの配達員(写真:Carlos Chavarria/The New York Times)

ステンベルがサンフランシスコ・ベイエリアの顧客に自転車便で届けるというビジネスを、自宅のリビングルームで始めたのは2010年のことだ。

国内産の生花で作った季節の花束を、だ。今ではサンフランシスコの花卉卸売市場内に支店を構え、5月からは全米への発送も開始した。

昨年の売り上げは前年の2倍を超える450万ドル。購入者の40%以上は繰り返し利用してくれるとステンベルは言う。

ファームガールのこだわり

ステンベルらスタッフは、その日その日で新しいデザインの花束を作る。新奇で自然なスタイルを心がけているという。

ステンベルに言わせれば、現代のフラワーアレンジメントの多くは安っぽくてどれも同じように見える。だからウェブサイトの見本写真とさえ似ていないような新しいデザインの花束を届けるのがファームガールのこだわりだ。

ファームガールでは「赤いバラ1ダース」といった注文はできず、選べるのは基本的に花束のサイズだけ。花束の価格はだいたい38~78ドルの間だ。

ファームガールフラワーズのブーケ。ラッピングには、地元のコーヒー焙煎業者から提供してもらった麻袋が使われている(写真:Carlos Chavarria/The New York Times)

花束は季節によって、またそのときの仕入れによっても変わってくる。仕入れ先の切り花生産農家の中には、ステンベルのニーズに合わせた花を栽培するようになったところも多い。ステンベルが好きな花材は葉ボタンで、赤いバラは嫌いだ。ラッピングには使用済みのコーヒー豆用の麻袋が使われる。これは地元のコーヒー焙煎業者から提供してもらったものだ。

商品の選択肢を狭めることが、価格の高い国産品をリーズナブルな価格で提供することにつながっている。普通、卸売業者や生花店は客がどんな花を買うか見通すことはできない。「だから50種類もの選択肢を用意しなければならない一方で、その半分しか売れないということも起こる。売れた半分で廃棄される残り半分のコストを賄わなければならないなんておかしいと思った」とステンベルは言う。「無駄をなくすために、わが社では選択肢をなくした」

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