新たな対韓強硬策、ジェトロ事業の中止検討 日韓緊迫を受け、事務所代表の帰国も視野に
慰安婦や徴用工問題、自衛隊哨戒機に対する韓国艦艇からの火器管制レーダーの照射問題などで、日韓関係がいつになく緊迫している。そんな中、首相官邸が各省庁に対し、今年3月をメドに、韓国に対するより強硬な姿勢を示す施策を検討せよとの指示を出したことが関係者の話でわかった。
経済産業省は、日本貿易振興機構(JETRO)ソウル事務所が実施・予定している韓国国内での事業の中止を検討している。さらに、事務所代表の帰国も視野に入れるなど具体的措置を検討中だという。JETROは東洋経済の取材に対し、「そういった事実はない」と回答した。
北朝鮮経済の情報収集も検討
JETROは前身となる日本貿易振興会(1958年設置)が2003年に独立行政法人となった組織だ。海外からの投資誘致や現地進出企業のサポートを行い、一方で日本産品の輸出促進などのサービスを強化してきた。1965年の日韓国交正常化以降、日本の政府機関の中では韓国でもよく知られた機関の1つであり、日韓の経済・ビジネス関係に大きく寄与してきたといっても過言ではない。
現在の職員数は現地職員を含めて約20人。ソウルなどで企業へのビジネス支援を行っているほか、韓国内の各地で投資関連のシンポジウムや展示会などの事業を積極的に行っている。
関係者によると、JETROが現地のどの事業を中止するのかはこれからの検討事項だという。一方で、韓国内の事業を停止する代わりに、同事務所に北朝鮮経済に関連する情報収集などをさせることも検討中のようだ。だが、韓国経済に長らく貢献してきた日本政府の機関が事業を中止するとなれば、日韓双方に政治的にも経済的にも大きなインパクトを与えそうだ。
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