クチコミ広告の落とし穴、マクドナルドのやらせ行列疑惑《広告サバイバル》

クチコミ広告の落とし穴、マクドナルドのやらせ行列疑惑《広告サバイバル》

最近流行のバズ(クチコミ)マーケティングだが、一歩間違えると「やらせ」になる危険もある。それをまざまざと見せつけたのが昨年末の「マック事件」だ。

2008年12月24日、日本マクドナルドホールディングスは「1日の店舗売り上げ、『クォーターパウンダー』セット販売のみで最高記録更新! 12月23日(火)大阪・御堂筋周防町店が1002万円を記録」とのプレスリリースを同社のウェブサイトにアップした。当日はなんと1万5000人が来店し、大行列となった。新聞などが報道し、そのニュースも広告的な効果を持った。

ところが、26日になって行列の一部がバイトで雇われた人たちだったことが明らかになった。関係者の話によると、行列のうち1000人がバイトで、そのうち20人は徹夜組だったというのだ。

マクドナルドが直接バイトを募集したのではなく、行列作りを仕切ったのは、同社から依頼されたマーケティング会社。その会社が大手人材派遣会社、フルキャストを通じて行列要員を募集した。バイトには時給1000円の賃金と商品を購入するためのプリペイドカードが配布された。

フルキャストはインターネット上で「楽チン! 新商品を並んで買って、食べるだけのお仕事」との広告でバイトを募集していた。これに対してマクドナルドは「サクラを集めたのではなく、モニター調査を行った」(広報部)とコメントしている。「新商品のクォーターパウンダーを販売していくためにはデータが必要だった。1000人雇ったのは、300人分の有効データを収集するには1000人集める必要があるとマーケティング会社が判断したから」という。

“サクラ行列”は東京でもあった。東京では昨年11月1日に表参道店でクォーターパウンダーの販売を開始。その際にも開店前から行列ができたが、この中にもバイトがいたのだ。マクドナルドはバイト人数を公表できないという。そして「クォーターパウンダー発売を盛り上げる意図があったことは否定しない」と前置きしたうえで「モニター調査は必要だった。また、行列の先頭部分を一般客にすると収拾がつかなくなるおそれがあった。セキュリティ上、スタッフが並ぶ必要があった」と説明する。このときはプレスリリースは出ていない。

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