クチコミ広告の落とし穴、マクドナルドのやらせ行列疑惑《広告サバイバル》
新商品の話題作りは当然のこと。だがモニターを使って行列を作り、しかもそれをプレスリリースにするとは問題だ。虚偽情報を発表したことになりかねない。
東京証券取引所はマクドナルドの行動に対して「同社のプレスリリースは東証を通じて配布されたのではない。会社サイトでリリースされた。東証は『適時開示情報』に該当する情報に関しては内容のチェック、指導を行う義務があるが、そうでない情報は管理外にある」(広報部)とコメントする。
マクドナルドによれば、大阪のバイト1000人分の売り上げは50万円程度。この50万円を引いた金額をプレスリリースに掲載すれば、まだ反論の余地はあった。マクドナルドも「金額についてはほかに発表の仕方があったかも」(広報部)という。
今年1月、名古屋でクォーターパウンダーが発売されたが、読売新聞は「今度の行列はホンモノ! マック話題バーガーに400人」との見出しを付けて報じた。マクドナルドの行列は完全に裏目に出た。
やらせについては、小泉政権時代の政府主催のタウンミーティングで、特定の発言内容を依頼したやらせ質問が問題化したのも記憶に新しい。このタウンミーティングは電通や朝日広告社が運営を請け負ったものだった。広告やPRに携わる者には通常以上の倫理観が求められる。
(週刊東洋経済)
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