スクウェア・エニックス「ドラクエ」生みの親・堀井雄二がオンライン化を決断したワケ--「将来はスマホ展開もありうる」
スクウェア・エニックスは8月2日、「ドラゴンクエストX(テン) 目覚めし五つの種族 オンライン」の発売を開始した。
発売日の早朝には、TSUTAYA渋谷店でカウントダウンイベントが行われ、ドラクエの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二氏、「ドラゴンクエストX」プロデューサーの齋藤陽介氏らが登壇し、午前7時の発売時刻に合わせ、約100人の観客とカウントダウンを行った。
「ドラゴンクエストX」は、2009年7月11日に発売した前作「ドラゴンクエストIX(ナイン) 星空の守り人」に続く、「ドラゴンクエスト」シリーズ本編の最新作。機種は任天堂の据置型ゲーム機「Wii(ウィー)」に対応しており、12年末発売予定の最新機種「Wii U(ウィー・ユー)」への対応も予定している。
今作の最大の特徴は、ドラクエシリーズ初のオンライン専用ソフトである点だ。Wiiのインターネット機能を活用することで、これまでバラバラにプレイしていたユーザーが、1つのゲームの世界に集合する。
使用方法も従来作品とは異なる。ユーザーは6980円(希望小売価格)のパッケージゲームを購入した後、30日、60日、90日のいずれかの利用券を購入。各利用料金は、30日が1000円、60日が1950円、90日が2900円に設定されており、クレジットカードもしくはWiiの専用ポイントで支払うことで、プレイが可能になる。
オンライン=課金というイメージがつきまとうが、「ドラゴンクエストX」はパッケージを購入した際、20日間の無料利用券が付いているので、いきなり課金を迫られるわけではない。
また、祝祭日を含む月曜日から金曜日の16~18時と、土曜日と日曜日の13~15時は「キッズタイム」として無料でプレイできる時間帯にしているほか、ソーシャルゲーム業界で射幸心を煽るとして問題となっている、景品くじ方式の追加課金、いわゆるガチャ課金は行わないこととしており、行き過ぎた課金にならないよう配慮している。
堀井氏はオンラインで展開することに関して、「初めてオンラインを体験する人も多いので、敷居を下げたいと思って作品を作った。期待もあるが、不安もある」と語った。齋藤氏も「自分たちが経験してない人数が一つの世界に入ってくる。そこで何が起きるかというと、いい効果もあれば想像してないことも起こりうる」と、発売日を迎え安堵する一方、現状はまだ手探り状態であることを明かした。
カウントダウンイベントのステージ。左から齋藤氏、堀井氏