続・悩む力 姜尚中著
還暦を過ぎた著者は「悲劇的ヒューマニズム」を受け入れたいという。それは「人間が、はかなく死ぬ運命にあることを念頭に」置くからだ。
そこでは、「二度生まれ」がキーワードになる。「人は生死の境をさまようほど心を病み抜いたときに、はじめてそれを突き抜けた境涯に達し、世界の新しい価値とか、それまでとは異なる人生の意味をつかむことができる」。
夏目漱石を例に引けば、前人未到の地平を切り開く意気込みで文学の道を突き進んでいく。そして、人生最大の危機に陥って、生まれ変わった。その道程は作品に如実に反映されているという。
ベストセラー『悩む力』刊行から4年を経て、「幸福のあり方」を見つめ直す。
集英社新書 777円
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