再上場目前のJAL、ANA・自民党が反発 突きつけられる難題

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6月下旬に開かれた自民党の航空問題プロジェクトチーム(PT)では「民主党はこれ(JALのスピード再上場)を彼らの実績だと宣伝しており、(上場益を)“新しい財源”などと言うのだろう」と、ある出席議員は声を強めた。民主党の分裂で衆院解散・総選挙の可能性が取りざたされる中、JAL再生を民主党の手柄にさせず、むしろ競争政策のミスとしてネガティブな材料にしようという思惑が浮上。自民党が一気にJAL問題でトーンを上げ始めた。

ANAや自民党PTが国土交通省に要望しているのは、公正競争のルール作り。EU(欧州連合)には、公的支援を受けた再生企業に市場シェアなどで一定の制限を設けるガイドラインがあるが、日本では整備されていない。今後、国内の他の産業でも同様のケースが出てくる可能性があるため、JALの一件を機に国内でもガイドラインを作ろうという考えだ。

これが実現すると、JALの経営は大きな打撃を被る。2月に発表したJALの中期計画では、新規路線開設などにより今後5年で国際線の供給量を25%増やす方針を打ち出している。これが成長戦略の柱となるが、ガイドラインができると、目算が大きく狂う。

ただ、JALにガイドラインを適用させるのは簡単ではない。要請を受けた国交省航空局は「(公平な競争環境は)実際の行政の中で対応していくべき課題ととらえている。ガイドラインとして定めることは現在のところ想定していない」と6月21日の自民党PTで答弁。たとえ、公正取引委員会で全産業を対象にルール化するにしても、9月までには間に合わない可能性が高く、いったんJALが上場してしまうと、株主利益保護の観点から後からガイドラインを課すのは困難になる。

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