タイガーと談笑する2ショット写真の真実

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プロゴルファー/弘兼憲史


 言わずと知れた名選手タイガー・ウッズ。おそらく彼は、今後も誰も成しえなかった記録を作っていくでしょうし、僕が大好きな選手の一人です。そもそも不調の大きな要因にもなったあの一連の不倫騒動ですが、男の側から言わせてもらうと、あんなこと、どの選手だってやっているとは言わないけど……、そんなに目くじら立てることもないと思うんだけどなあ。一言で言えば、相手が悪かったですね。結局、奥さんとは離婚になって慰謝料の額は約663億円! それまでのスポーツ選手の慰謝料最高額が、マイケル・ジョーダンの約133億円なので破格の額です。でも、彼の資産は900億くらいあったらしいので、まだ300億くらいは残っているとか。さすが大物、ケタが違います。よくわからない数字です(笑)。

 そんなタイガーの無名時代に、実は僕、“追っかけ”をしたという思い出があるんです。坂田信弘氏とかざま鋭二氏で連載している『風の大地』というゴルフ漫画の取材にくっついて全英オープンを見に行った時、そこに当時大学生で、まだアマチュアだった彼が出ていたんですね。それまでにも「タイガー・ウッズという、すごいやつがいる」ということは聞いていたので、担当編集と二人でずっと張り付いたんです。無名に近い選手だったので、8・9・10・11番ホールにはギャラリーの姿もなく、関係者とわれわれ数名の中、黙々とプレーするといった感じでした。クラブをのぞきこんだりもできましたね。あまり知られていないけど、当時のタイガーは日本製のミズノのクラブを使っていました。虎のドライバーのヘッドカバーも当時から使ってましたよ。ひそかにかわいいなあと思いながら、チェックしてました(笑)。やはり、アゲンストとフォローの風の打ちわけはさすがでしたね。とても貴重な経験でした。

 タイガーといえばもう一つ、僕はゴルフのレッスン本なども出しているのですが、その中になんと、僕とタイガーが向き合って笑っている写真が存在するんです。実際は、肖像権の問題もあるので小さなカットで風景のように載せていて、「もしかしてタイガー?」みたいな感じなんですけどね。さて、その写真をどうやって撮ったのか。1998年の全米オープンで、プレスのパスを持っていた時、練習を終えて1番ホールに向かうタイガーに話しかけたのですが、ちょうどその時、日本でコーヒーのCMをやっていたので、「よし、あれを言ってみよう!」と、タイガーのそばにそっと近づいて「タイガー、ワンダ、ワンダ」って言ったら、ニヤッと笑ってくれたんですよ。
 いかにも仲良く談笑しているような、とてもいい写真なのですが、別にまともな会話をしたわけではなく、真実は「ワンダ、ワンダ」の賜物でした。大きくご紹介できないのが残念ですが、気になる方は『GOLF 練習嫌いはこれを読め』の中から探してみてください(笑)。

 

 

漫画家/弘兼憲史(ひろかね・けんし)
山口県出身。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、1974年に漫画家としてデビュー。現在、『島耕作』シリーズ(講談社)、『黄昏流星群』(小学館)を連載するほか、ラジオのパーソナリティとしても活躍中。

 

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