吉野家が20年ぶりの社長交代。わが道いく経営に「ジャイアント馬場並み」スピードとの評も
今回の社長交代について野村証券の繁村京一郎アナリストは、「ノーサプライズ」と評価する。「安部氏が会長にとどまること、牛丼の社長にとどまりながら中期計画の遂行にあたることを考えると、大きな方針転換は考えられない」「株価や業績について影響はない」と繁村氏は話す。ただ、5年越しでこぎ着けた社長交代や、河村氏の説得に1年以上の時間をかけたことについては、「経営陣のスピード感覚が鈍い。吉野家はもっと早く動く必要がある」(繁村氏)としている。
とはいえ、吉野家ホールディングスの置かれた環境は予断を許さない。今13年2月期は売上高1700億円、営業利益55億円を計画しているが、02年2月期にたたき出した、売上高1492億円で営業利益が161億円、という利益水準にははるかに及ばない。業界動向を見ても、この10年間で牛丼業界の盟主の座を「すき家」に明け渡し、「松屋」にも追撃を喰っている。
アナリストの中には「彼らも手を抜いているつもりはないのだろうが、はたから見るとまるでジャイアント馬場のようだ。一生懸命やっていてもゆっくりみえる」と見る向きもある。はたして吉野家ホールディングスは新社長のもと、成長軌道に復帰することができるのか。新社長に託されたバトンは重い。
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(松浦 大 =東洋経済オンライン)
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