イオンが英テスコの日本店舗117店を1円で取得、“仕切り直し”で実った交渉

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看板は当面は現状を維持するものの、ミニスーパー「まいばすけっと」や食品スーパー「マックスバリュ」などへの転換が軸になる見通し。たとえばPB「トップバリュ」の陳列など、運営面での改善は看板替えに先駆けて順次進める。

テスコの店は店舗面積がまちまちで、看板も「テスコ」「つるかめ」など多岐にわたるなど、今後の運営ではイオンが苦労する可能性もまだまだ残っているが、都心部中心に117店の立地を一気に獲得できたメリットは大きい。コンビニ首位のセブン-イレブン・ジャパンを要するセブン&アイに比べ、都心部でのイオンの店舗展開はなお手薄。神奈川や東京・大田区、世田谷区、品川区などでミニスーパー「まいばすけっと」の出店を加速しているが、つるかめの多い東京・杉並区や練馬区はこれからだからだ。

まいばすけっとだけではない。イオン店舗内の専門店から独立採算を計っている「イオンリカー」(酒店)、「イオンバイク」(自転車店)などの単独出店候補としても有力な立地候補となりうる。実際、今回の契約とは直接関係がないが、イオンリカー1号店の行徳店はつるかめ退店跡への居抜き出店だ。立地によっては、グループのコンビニ「ミニストップ」や総菜の「オリジン弁当」、さらにドラッグストアなども選択肢に入りうる。

「店舗の一括売却と従業員の雇用維持を最優先に交渉した」(テスコ)というテスコに対し、価格面でイオンが折り合えたことが成約につながった。食品を中心とした都心部での小型店競争が、新たな局面を迎える。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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