しかし、民主党は10年の参院選での敗北や、税と社会保障一体化問題で小沢グループが離反するなど、党勢は縮小。12年の衆院選では改選前の230議席から57議席と、今回の衆院選に匹敵する大敗を喫した。
閣僚は言うに及ばず、首相経験者や前衆院議長でさえ小選挙区で落選し、比例復活に甘んじた。1回生議員で小選挙区での当選を果たしたのは、玉木氏と岸本周平氏の2人のみだった。
12年の衆院選で、自民党は119人の「安倍チルドレン」を生み出した。その多くは14年の衆院選で再選されたものの、未公開株をめぐるトラブルなどがあった武藤貴也氏や、週刊誌に女性問題が暴かれた宮崎謙介氏や中川俊直氏、秘書に対する暴言音声が明らかになった豊田真由子氏らの問題が発覚し、「魔の2回生」と呼ばれた。
さら17年の衆院選後には「魔の3回生」、21年の衆院選後には「魔の4回生」と“バージョンアップ”。「パパ活」が報じられた吉川赳氏は自民党を離党し、秋本真利氏が風力発電をめぐる受託収賄罪で東京地検特捜部に逮捕。4826万円の裏金が発覚した池田佳隆氏も、東京地検特捜部に逮捕されるなど、問題はより深刻化した。
「高市チルドレン」はどれだけ生き残る?
過去に起きた、こうした不祥事を未然に防がなければならないと痛感したのだろう。自民党本部は先の衆院選での大勝を受けて、2月17日に新人議員を対象に研修を実施した。以前なら新人教育は各派閥の役割だったが、裏金問題をきっかけに麻生派を除く派閥は解消。その任を果たす組織はなくなった。
研修会で鈴木俊一幹事長は、衆院選で自民党が大量の票を獲得したことについて「マスメディアをはじめ国民の皆様方からは、厳しい目が向けられることになると思う」と述べて、新人議員たちに「つねに謙虚な気持ちを決して忘れることのないようにしてほしい」と心構えを解き、「自分の発言がどういう影響を及ぼすのかを考え、気をつけてほしい」とクギを刺した。
そして、麻生派には66人の新人議員のうち11人が入会し、60人の大所帯となった。麻生派は党内で唯一の派閥であり、高市首相を支える“党内与党”の立場にある。
その最大の使命は「高市政権を長期政権とすること」だが、そのためには新人議員に当選を重ねさせなければならない。取材に十分に答えることができず、危うさが目立つ新人議員もいる。だが、1人の議員としてベテランと変わらない特権を持つ以上、政党がかばってばかりもいられない。
次の衆院選まで不祥事を起こさず、「高市チルドレン」はいったいどのくらいが生き残れるか。大勝した自民党の責任は、とてつもなく重くなっている。
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