中国で「AIビリオネア」が続出している理由とは?合計資産はビル・ゲイツに迫る、「スター型」の時代は去り、目立たない「ギーク型」が主流に

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米中対立が深まる中でのこうした台頭は、中国の富の創出が国家の技術的な独立志向と密接に結びついている現実を浮き彫りにする。

中国でテックエリートの象徴は変容した。電子商取引大手アリババグループが2017年に開催した記念パーティーで派手なパフォーマンスを披露した馬雲(ジャック・マー)氏のような「スター型」の時代は去り、目立たない「ギーク(技術オタク)型」が主流となっている。

現在の起業家は表舞台に現れないことが多い。中国の半導体メーカー、中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)の陳天石氏は、16歳で大学に入学するなど若くして卓越した才能を示しているが、自らを「平凡な研究者」と呼び、メディア露出を極力避けている。DeepSeekの梁氏も同様に謎めいた存在で、公の場で写真を撮られることはめったにない。

この慎重さは戦略的なものだ。知名度を低く保つことは、米国の制裁対象リスト入りを回避し、富の誇示を嫌う中国当局の監視をかわす最善策となる。

1970-80年代生まれ、圧倒的に男性が中心

北京を本拠とする投資コンサルティング会社BDAチャイナの会長を務めるダンカン・クラーク氏は「米中関係の雰囲気が非常に悪く、彼らは巻き込まれたくないだけだ」と指摘。「この世代にとって、特に政府資金を受けていたり、米国のエンティティー・リストの対象となる事業を行っていたりする場合、目標は目立たないことだ」と述べた。

1970-80年代生まれの彼らは圧倒的に男性が中心で、清華大学や中国科学院出身のエリートが多い。寒武紀の陳氏は創業前に同科学院で6年間研究を続けた経歴を持つ。政府による国産品優遇政策を追い風に、同氏の資産は2024年当初と比べ、9倍超の215億ドルに達した。

米ハイテク大手からの「帰国組」も大きな勢力だ。かつて米テクノロジー業界の歯車に過ぎなかった技術者が今や中国市場における最大の競合企業となっている。

エヌビディア元幹部の張氏は、かつて自ら販売していた半導体に取って代わることを目指し、摩爾線程を5年間で450億ドル規模の企業に育て上げた。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)でシニアディレクターを務めていた陳氏はAMD時代の同僚を誘い、自社の中核に据えた。

著者:Diana Li、Pui Gwen Yeung

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