金メダルは「時価36万円」。歴史的高値圏で推移する《金価格》、その陰では「悪魔の金属」も高騰しており…。まれに見る"金銀価格高騰"の背景

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

興味深いのは、投資商品としての金と銀を見たとき、金がかねてから言われているように中国やインド、中東などで地元の文化に根付いた強固なニーズを有するのに対し、銀は欧米の個人に人気が高く、昨年来の銀ラリーではアメリカの個人投資家の間でミーム株的な買われ方をしていたことだ。

とはいえ、金、銀ともに、1月30日にトランプ大統領が次期FRB(米連邦準備理事会)議長に元理事のウォーシュ氏を指名したという報道を機に急落した。以降はジェットコースターのようなアップダウンの相場展開が続いている。

ウォーシュ氏はトランプ大統領が望む利下げ(金融緩和)に消極的で、むしろ利上げ重視派と見られ、だとすれば持っていても利息を生まない金や銀には同氏の議長就任は逆風となる。

しかし、ウォーシュ氏指名のニュースはきっかけにすぎず、「ここ数カ月の急上昇の反動」「遅かれ早かれ、調整せざるをえなかった」という見方が支配的だ。

純金積立などが賢明、銀は“様子見”が無難か

実際、個人の投資先として金や銀はどうなのだろう。ともに実物資産として当面は同じ要因で同じ方向に価格が変動する可能性が高いが、投資商品としては分けて考えるべきと語る専門家が多い。

金価格の上昇を支える新興国を中心とした中央銀行の大量買いはアメリカやドルへの「不信任」という意味合いが強く、トランプ政権下でしばらくは継続しそうだ。

とはいえ、金価格が歴史的な高値圏にあるのは間違いなく、個人ならスポットで高価なバーを買うのでなく、純金積立や金ETFの積み立て購入が賢明だろう。

これに対し、銀市場には中央銀行のような“太客”がいない。供給不足は買い要因だが、市場が小さいだけに投機筋が資金を引き上げれば急落というリスクが常にある。銀が「デビルズメタル(悪魔の金属)」と呼ばれるゆえんだ。今の相場状況は、投機を好む個人投資家以外は“様子見”が無難かもしれない。

とはいうものの、多くの貴金属の専門家が「金、銀ともに上昇基調にあり、2年後のロサンゼルス夏季オリンピック・パラリンピックの金メダル、銀メダルの原価はさらに上昇し、史上最高値を更新する可能性が極めて高い」と話す。

経済の先行き不透明感や各地の地政学リスクが続く限り、金や銀にはまだまだ上値余地がありそうだ。

森田 聡子 フリーライター・編集者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

もりた としこ / Toshiko Morita

地方新聞で記者として勤務した後、日経ホーム出版社、日経BPにて「日経おとなのOFF」編集長、「日経マネー」副編集長、「日経ビジネス」副編集長などを歴任。2019年に独立後は雑誌やウェブサイトなどで、アート関連やインタビュー、幅広い年代層のマネー初心者向けの記事を執筆。やさしく、分かりやすく伝えることをモットーに活動している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事