金メダルは「時価36万円」。歴史的高値圏で推移する《金価格》、その陰では「悪魔の金属」も高騰しており…。まれに見る"金銀価格高騰"の背景

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CNNによると、24年のパリ夏季五輪開催時と比べ、材料ベースの時価は金メダルが約2300ドル(約36万円)で倍以上、銀メダルに至っては約1400ドル(約22万円)でなんと3倍以上に跳ね上がったという。

背景には、昨年後半以降のド派手な貴金属ラリーがある。“平和の象徴”とされるオリンピックが開催されている背後でロシアとウクライナの戦争は続き、アメリカのトランプ政権の“帝国主義的拡大政策”がグリーンランドやベネズエラといった周辺国を脅かしている。

アメリカや日本の株式市場は一見順調に推移しているように見えるが、AI(人工知能)関連など特定銘柄が牽引する市場は危うさもはらむ。国際情勢や経済の先行きが不透明な時代は、個人資産や投資マネーが貴金属などの実物資産に向かいやすい。

ミラノ・コルティナ冬季オリンピック 金メダル
今回の五輪の「金メダル」。純銀に6gの金メッキが施されている。デザイン性の高い形状だ(写真:gettyimages)

昨年後半、銀がいきなり動意づいた

金相場は、コロナ後のインフレや各国の中央銀行による大量購入を受けて、前回北京冬季五輪後の22年後半から上昇基調にあった。

一方の銀は、旺盛な太陽光パネルやAIサーバー、電気自動車(EV)などの需要で供給不足が5年近く続きながらもなかなか価格が上がらなかった。

金と銀の価格差を表す「金銀比価(GSR)」は、25年前半には100(金価格が銀価格の100倍)近くまで拡大していた。

その銀がいきなり動意づいたのは25年後半。専門家によれば、年間需要統計が発表され、さらに供給不足が続いて地上在庫も減少していることが明らかになった頃から価格が上向いてきたという。

銀の場合は亜鉛、銅などの副産物として採掘されることが多く、在庫が逼迫しているからといって計画的に生産量を増やすのが難しい側面がある。そうした“特殊事情”も踏まえたうえで、そう大きくないマーケットに投機筋や個人投資家の参入が相次いだのだ。

その結果、25年は金がトランプ2.0政策の影響などで約70%値上がりしたのに対し、銀はそれを大きく上回る約170%の上昇となった。

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