ジャカルタ「日本製電車」地元ファン熱狂の引退劇 元東急や東京メトロ車両など、今や「郷愁」の対象に
展示された3形式のうち、一番の目玉は元東急8500系の8618編成だ。当地で活躍していた同形式最後の1編成で、24年4月からはKCI創立当初(当時はKCJ)のカラーリング、通称「JALITA」に復刻され、主にタンジュンプリオク線で活躍していた。しかし、経年による不具合も多く、25年8月末で営業運転を終えていた。
今回は引退記念イベントのために久々に本線を走行し、ジャカルタコタ駅まで回送されてきた。
「加速が力強い」運転士が語る8500系
「東急の車両は操作性がよく、加速が力強い」と、車両基地のあるデポックからジャカルタコタまで8618編成の回送を担当したKCIの運転士、フェリー氏は言う。同氏は過去に日本車輌製造で3年間、技能実習生の経験があり、一度は車両製造会社のINKAに入社したものの、電車運転の夢を諦められず転職したという異色の経歴の持ち主だ。
フェリー氏は、元東急の車両がまだまだ主力として活躍していた15年からKCIで運転士を務めており、8500系への思い入れも深い。「しかし、衝動が大きいので気を遣う。やはり205系のほうが運転はしやすい」と同氏は言う。その言葉通り、13年以降に元JR東日本の205系が導入されると、元東急の車両は徐々に活躍の場を狭めていった。
運転台の電源スイッチであるマスコンキーがフェリー氏からジャカルタコタ駅の検車係に渡されるのを目の当たりにすると、ついに引退のときが来たことが感じられた。普段は車両留置のある終電間際でないと、当駅でこのような光景は見ることができない。


















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