日立、まだ知られていない「鉄道DX」日本国内の実態 業界共通の悩み「人手不足」本当に改善できるか
取り組みの1つを実際に見た。「チェックイン・チェックアウトシステム」というもので、作業員は作業開始前にリストバンドに埋め込まれたICタグをタブレットに読み込ませ、これから自分が行う作業を入力する。そして作業開始ボタンを押すと、その時刻が記録される。作業が終わったら完了ボタンを押す。それによって、各作業員の属性、作業内容、作業時間が把握できる。
これだけだと1人の社員の働き具合の「見える化」だが、データがたくさん集まると全体像が見えてくる。
新人の習熟、時間がかかるのは何か
一例を挙げると、南栗橋工場で「最近大きな人事異動がなく、全体の作業時間が短くなっていると感じる」という声があがった。そこで実態を調査してみた。
たとえば、13人で作業をこなす職場に新人が3人入ってきた。10000系2両編成の検査に当初200時間かかっていたが、半年後には150時間でできるようになった。1カ月に5〜6編成の検査をしているので、新人が一人前になるまでに要する時間的な負担は5〜6編成×6カ月×50時間÷3人ということが「見える化」できた。
ここから、さらにどの作業の習熟度が作業時間に影響を与えているのか特定できれば、人事異動に伴う作業時間の増加を圧縮できるのではないかという議論が行われた。
作業ごとに調査をしたところ、空気関係の作業は電気系統などほかの作業と比べ、6カ月間の検査時間の変化が最も大きいことがわかった。若手社員にヒアリングしたところ、漏気試験の検査方法が慣れるまでに時間がかかるという。そこで、人の手ではなく、超音波カメラによる検査に置き換えれば時間短縮が期待できるのではないか。このように集まったデータを分析して、現場社員の声を聞きながら改善に向けて仮説を立て、さらに検証を進めている。


















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