日立、まだ知られていない「鉄道DX」日本国内の実態 業界共通の悩み「人手不足」本当に改善できるか
「HMAXは製品ではありませんよ。HMAXを買って取り付けたら早速使えるというものではありません」
東武の鉄道事業本部で日立との協創事業を担当する間仲祥司・車両企画課長が開口一番こう述べた。「HMAXとは当社のDX化にあたり日立さんがご用意されているソリューション群の総称と理解しています。つまり、日立さんはメーカーというよりも日立さんにコンサルティングをしてもらっているという感覚です」。
日立はメーカーではなくコンサルタント。最初にこれをしっかりと理解しておかないと、HMAXの本質は理解できない。それを踏まえて、まず、東武が車両メンテナンスのDX化に取り組み始めた経緯について聞いた。
東武が「DX化」進める背景
背景にあるのは、少子高齢化による労働人口減少により人材確保が難しくなっていることだ。しかも、ただでさえ東武は車両の種類が多いことに加え、将来の人口減による旅客需要の減少に伴い車両数が減っていけば、人員減の中で多岐にわたる車両のメンテナンスを行うことになる。
そこで、東武はDX化による省人化を図り、人には人にしかできない創造的な仕事に注力できる環境を作ろうと考えた。
東武のDX化の歴史はHMAXの登場よりもはるか前、1997年に遡る。新型車両に車上データ監視装置を搭載し、車両の保守作業に活用してきた。2016年からは走行中の列車からリアルタイムで車上データを送信してデータの蓄積や分析が可能となった。2021年にはこのシステムをRemote(リモート)と名付け、本格運用を始めた。現在、日立が東上線向けに製造中の新型車両90000系にもRemoteが搭載される。
なお、Remoteは特定のメーカーとの協創事業ではなく、車種によって組むメーカーが異なる。日立のほか、三菱電機のシステムも採用されている。


















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