日立、まだ知られていない「鉄道DX」日本国内の実態 業界共通の悩み「人手不足」本当に改善できるか
これと並行して、2年ほど前から東武と日立は車両メンテナンスのDX化について検討を重ねてきた。「ようやく、DX化でできそうなことが見えてきたので基本合意書の締結に至った」という。東武は現場業務のノウハウと関連データを提供し、日立は東武の業務に合わせてHMAXのソリューションを導入し、AIによるデータ分析や既存システムとの連携、車両メンテナンスの高度化を支援する。
両社による協創の取り組みは1)車両検査の自動化、2)人の作業の最適化、3)現場力の向上、の3つに分かれる。今回は1と2について詳しく聞いた。
なお、2025年に東武アーバンパークライン(野田線)に導入された80000系には施設モニタリングシステムが搭載され、走行しながら線路や架線などの状態を検測し、その状態を精緻に把握する状態基準保全(CBM)が可能となったが、日立との協創は車両メンテナンスが対象であるため、施設のモニタリングは含まれない。
人の作業時間をITで「見える化」
3つの取り組みのうち、先行しているのが人の作業の最適化である。「工場では作業ごとに所要時間が決まっているが、それが適正なのか、無理・無駄はないかといったことを検証するすべがなかった」という。
そこで、ITツールを使って作業を「見える化」することで、作業ごとに最適な時間配分を見いだすとともに、長期的には車両ごとの標準時間を作成し、工程に反映することで効率的な検査体制を確立することを目指す。
現場の若手メンバーを中心に2024年7月から試験運用を開始。データ収集のプロセスが「面倒くさい」という声もゼロではなかったというが、「取れたデータを見てみたい」という声のほうが圧倒的に上回ったという。


















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