どうしても財源を捻出したいのなら、簡単で確実な方法が1つある。
それは、消費税の標準税率を10%から引き上げることである。
ポピュリスティックに表現すれば、「生活必需品の飲食料品は税率を下げ、物価高を抑えるために贅沢品の税率を上げる」といったところだろう。
飲食料品の消費税率を引き下げても、消費税の標準税率を上げることはできる。
国の消費税収と地方消費税収は、あわせて約31兆円である。そのうち軽減税率を0%にすると約5兆円減収となるということは、標準税率での税収は約26兆円となる。標準税率1%当たりの税収となると、約2.6兆円となる。
標準税率を2%上げれば、飲食料品の軽減税率を0%にすることで失われる税収にほぼ匹敵する。
減税による消費喚起を相殺し、景気・物価に中立
標準税率といえども、税率を引き上げれば景気に悪影響がある、とみるのは早合点である。標準税率の対象商品は消費が抑制されても、軽減税率は0%にまで引き下げられれば消費は喚起されるから効果は相殺されて、景気に対して中立的になる。
ましてや、物価上昇局面において、景気を過熱させては、物価上昇をあおることになるから、標準税率を引き上げることで景気の過熱を抑えるという意味で「物価高対策」になる。
ついでにいえば、いわゆる「103万円の壁」を178万円に引き上げる所得税減税も行われているから、標準税率を引き上げた影響はそれだけ減殺される。
さらに、標準税率が引き上げられることがアナウンスされれば、設備投資が促される。企業は、標準税率が低いうちに設備投資をすれば、それだけ税込みでの投資額は少なくて済む。だから、高市内閣で、成長戦略の一環として投資促進を掲げていることと極めて整合的である。
もちろん、軽減税率を0%にすることで失われる税収を標準税率の引き上げで補うことで、財政収支を悪化させずに済むから、市場の信認を維持できて、国債金利の上昇を食い止められる。


















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