「好きになった人を殺害」「元交際相手をストーキング」 茨城・ネイリスト殺人、北海道・壁の中に遺体…男女関係のもつれで"一線を越える人"の背景

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すでに深刻な被害があり、切迫した状況のときは、民間のシェルター施設などに頼ることで「まずは命と健康を守る」という意識も必要でしょう。

「どうしても被害の証拠がつかめない」「警察や相談施設も動けない」というケースのときは、弁護士への相談や探偵に証拠集めを依頼することも1つの方法。一方で「AIに対処法を尋ねる」などのリスクを軽視した対応は避けたいところです。

加害者にも精神的なサポートを

ここまであげてきた対処法と同時にもう1つ忘れてはならないのは、加害者にも精神的なサポートができる社会にしていくこと。

たとえば、警察はストーカー被害の際、加害者に口頭警告、接近禁止命令、検挙などの対応をしますが、「それだけで危機を乗り越えられなかった」というケースもありました。

実際に接近禁止命令の措置が出て、違反した際の拘禁又は罰金が提示されたものの抑止にはつながらず、殺人事件に至ってしまったというケースも散見されます。

加害者への精神的なサポートは決してフォローしたいのではなく、少しでも安心・安全な社会にしていくための手段。

事件を起こすほどの加害者には専門機関での精神的な診断と治療が必要であり、精神疾患があるケースでは投薬の効果も期待できるほか、重度の場合は通院だけでなくグループホームへの滞在などもあります。

加害者自ら診断や治療を受けることは難しいだけに、警察や自治体などからの仲介、あるいは被害者と加害者の弁護士が交渉する場で治療や更生プログラムへの参加を約束させることを標準対応にしていいのかもしれません。

自分の偏った感情と言動に気づき、他者の感情を学び直す。ネガティブな感情との付き合い方を知り、「他人は変えられなくても自分は変えられること」「誰かのせいにすることの間違い」を実感する。

これらが徐々に進むほど、反省の気持ちとともに希望が芽生えはじめ、「自分の人生を再構築していこう」という気持ちにもなれるでしょう。

私たちは自分と大切な人を守るためにも、ただ加害者を断罪するのではなく、「社会としてどのように対処していくのか」を考えていきたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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