「借金」が増えるほど私たちは豊かになるという逆説 コロナ禍で見えた資本主義の「不都合な真実」と「負債の経済学」
さらに、債務、特に民間債務の全体的な膨張は、最終的に経済成長を鈍化させ、1990年代の日本や2008年の世界金融危機のような災厄を引き起こす危険を孕んでいる。
これらの危機は「長期債務のサイクル」が生み出したものであり、それぞれのサイクルが進むごとに債務総額は上昇して高止まりする、いわゆる「負債の階梯(かいてい)」を形成していくことになる。
借金漬けの経済に「出口」はあるか
債務の水準が上昇し続けることが回避不能であるならば、従来の「借金を減らせばよい」という単純な戦略(デレバレッジ)がなぜ機能しないのかを考えなければならない。
そこで必要となるのが、大規模な債務免除や再編を視野に入れた「債務救済(ジュビリー)」という新しい概念である。
債務膨張には限度があり、限界点に到達して破局を迎える前に、生産的かつ公正な救済プログラムを設計し、労働者家計の純資産を押し上げる戦略が必要だ。また、高インフレの防止や、化石燃料への依存度を低下させる方法についても、負債の力学を無視して語ることはできない。
負債とはパラドクスである。それは経済を創造する力であると同時に、行き過ぎれば社会を破壊する毒となる。
負債の経済学の最終目標は、この制御不能にも思える巨大な力を、管理・掌握するための未知の道を見出すことにある。
債務の不可逆的な伸長は、われわれが生きる間、最も意味のある経済上の事実であり続けるだろう。
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