ただ、こうして文科省や教育委員会を批判するばかりでも、あまり建設的な議論にならないかもしれない。なぜ、そうなるのかも考えたい。少なくとも2つの背景事情がある、と私は考える。
1つは、厳しい財政事情のなかで、できることが限られる。例えば、盗撮の問題であれば、校内防犯カメラの設置や公用スマホの貸与などが選択肢だが、すぐに予算化できる自治体は少ない。
もう1つは、社会や議会からの反発や批判をかわそうと、少しでもやっている感を出す、それも短期的に打ち出す必要があることだ。
「場当たり」にならないための提案
この診断、見立てが妥当なら、今後どうやっても解決できない類ではない。やっていけることはいくつかある。ここでは3点提案する。
第1に、予算がそれほどかからない施策の中でも、効果がありそうなものをもっと探していく。先ほどの動画拡散の事例では、入試上の扱いを検討することやSNS事業者に削除要請をスムーズにできるようにする仕組みをつくることなどは、それほど多額の予算は要しない。
第2に、予算を要するものでも、自治体間連携や首長、社会に訴えるなどして、予算獲得していく道筋だ。盗撮問題であれば国・自治体共同で監視を外部委託することは無理難題のようには思えないし、教職員のメンタルケアのために都道府県内の自治体が共同で産業医等と連携して取り組むことなどもできよう。
第3に、私たち社会の目としても、学校でいろいろな問題や不祥事が起きたからといって、ド短期での対策を求めようとしすぎない姿勢が必要ではないだろうか。むしろ、ここで検討したように、真に時間や労力をかけるべき課題はどこにあるのかについて、問うていくことが必要ではないかと思う。
世間を騒がせるような問題について、放置してよいわけではないし、早く子どもたちや関係者に安心感をもってもらうことは大切だ。だが、だからといって、やっているふりをするだけの施策はしないでいただきたい。
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