「レオ様」「PTA」のタッグ作《ワン・バトル・アフター・アナザー》が「映画賞を席巻」する背景
その内容をひと言で表すのは難しい。
アクション要素があり、社会そのものや権力への皮肉めいたユーモアがふんだんに盛り込まれたコメディの側面もありながら、終始サスペンススリラーの緊迫感があり、詩的な物語でもある。
アメリカの現代社会を舞台に、誰もが抱く矛盾とその滑稽さを映す社会派の人間ドラマなのだが、銃撃戦にも人の感情の揺れ動きにもリアリティがありながら、その描写にはジェットコースタームービー的なおもしろさがあり、予想通りに進まないストーリーに引き込まれ続ける。そんな作品だから、数々のアワードで高く評価されている。
すでに北米では、「第83回ゴールデングローブ賞」の映画部門で作品賞(ミュージカル/コメディ)を含む最多4冠、「第60回全米映画批評家協会賞」で作品賞を含む4冠、「第31回クリティクス・チョイス・アワード」(放送映画批評家協会賞)の映画部門で作品賞を含む3冠に輝き、「第32回アクター賞」(米俳優組合賞)では史上最多となる7部門でノミネート。今年の「第98回アカデミー賞」の最有力候補に位置づけられている。
「アカデミー賞」で主要部門に絡んでくれば、日本での興行も一気に膨らむだろう。もともと作品のヒットポテンシャルは高いのだが、それが一般層に伝わり切っていないのが現状だ。受賞結果次第では、その状況が一変し、ムーブメントを巻き起こすかもしれない。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』のあらすじ
本作の舞台は現代のアメリカ。物語はふたつの時間軸に分かれる。
前半は、若き日の革命家・ボブ(ディカプリオ)の闘争を描く。彼がメンバーになる武力革命グループは、正しいと信じる信念を胸に、移民収容施設の襲撃や、街中の爆弾テロなど、反政府、反体制、反資本主義の闘争を繰り広げる。
そんななか、カリスマ革命家でボブの恋人・ペルフィデイア(テヤナ・テイラー)は彼の娘を生むが、ボブと娘を捨てて革命に打ち込む。そして、ある事件をきっかけに、名前を変えて身を隠さなければならなくなったボブは、生まれたばかりの娘とともに行方をくらます。


















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