「京都はオーバーツーリズム」という大いなる誤解 データが暴く"インバウンド悪玉論"の不都合な真実

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しかし、話はそう単純ではありません。インバウンドは、経済効率の差が歴然としているからです。

国全体で見ると、日本人旅行者の消費単価が4万6585円であるのに対し、インバウンドは21万9690円(日本人の4.7倍)です。宿泊単価に至っては、日本人はインバウンドの31.6%にすぎません。

(出所)観光庁のデータを基に筆者作成

京都で見ても、24年の調査では、京都におけるインバウンドの1人当たり消費額は7万8346円。日本人の2万3355円に対し、3.4倍もの開きがあります。

インバウンドがもたらす8.1兆円を日本人で補うには、新たに1億7443万人の日本人旅行者が必要となります。つまり、日本人旅行者を現状より32.3%も増やさなければならないという計算になります。

この数字は、国民の約1.5倍に該当します。皮肉なことに、もしインバウンドをゼロにして、代わりに1億7443万人の日本人旅行者を主に休日に受け入れることになれば、ますますオーバーツーリズムが深刻化することになるのです。

国内旅行者数は伸び悩んでいる

しかし、現実には11年から19年にかけて国内旅行者数は伸び悩んでいます。人口減少と高齢化が進む日本において、国内観光客が今後減っていくことは避けられない現実です。

だからこそ、私たちは「インバウンド需要がいかに重要か」を冷静に、そして深く再考する必要があるのです。

デービッド・アトキンソン 小西美術工藝社社長

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David Atkinson

元ゴールドマン・サックスアナリスト。裏千家茶名「宗真」拝受。1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学「日本学」専攻。1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くリポートを発表し注目を浴びる。1998年に同社managing director(取締役)、2006年にpartner(共同出資者)となるが、マネーゲームを達観するに至り、2007年に退社。1999年に裏千家入門、2006年茶名「宗真」を拝受。2009年、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手がける小西美術工藝社入社、取締役就任。2010年代表取締役会長、2011年同会長兼社長に就任し、日本の伝統文化を守りつつ伝統文化財をめぐる行政や業界の改革への提言を続けている。

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