「京都はオーバーツーリズム」という大いなる誤解 データが暴く"インバウンド悪玉論"の不都合な真実

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観光が集中する上・中・下京区の住民(約28万人)と比較しても、24年のインバウンド1088万人はその39倍です。ベネチアの102倍に対して全く比較になりません。ベネチアと同等の混雑率になるには、2862万人ものインバウンドが必要となります。

(注)京都は上・中・下京区、2024年 (出所)観光庁のデータを基に筆者作成

国内旅行者を含めた比較において、ベネチアが住民の118倍であるのに対し、京都市内が200倍と大きいのは、日本人旅行者の多さに理由があります。日本人旅行者数は京都市民数の161倍にもなる一方、インバウンドの39倍にとどまります。データに基づけば、安易に同一視はできません。

結論を言えば、もしオーバーツーリズムを主張するのであれば、その根源は連休や週末に集中する「日本人旅行者」にあります。連休最終日に報道される「高速道路40キロ渋滞」こそ、インバウンドによる混雑よりもはるかに深刻なオーバーツーリズムの象徴です。

政府の戦略により、インバウンドは、地域によって最も訪日をする時期が異なるため、上手に誘致をすることで需要の波を緩やかにしています。一方で、現役世代が大半を占める日本人観光客は、どうしても特定の祝日に集中してしまいます。

「インバウンド不要論」がいかに非現実的か

「外国人は要らない、日本人観光客を増やせばいい」という意見には、データの裏付けがありません。

単純に考えれば、24年のインバウンドは3687万人なので、仮にそれがゼロになったとしても、その分だけ日本人観光客を増やせばよいように思えます。日本人観光客は5億3995万人なので、あと6.8%だけ増やせば、全体の旅行者数は変わりません。

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